「練習はウソをつかない」というとてもいい言葉があります。その通り、よく練習をしている音楽家は、舞台で結果を出す確率も高いです。2025年5月30日行った、ピアノジョイントコンサートのために私もこの言葉を頭に入れて一生懸命練習しました。ただ、ここで言う練習は、単に一生懸命さや練習量のことだけではないでしょう。内容の濃い練習をすること、食事から睡眠まで毎日のスケジュールが大事だな、とあらためて分かりました。一生懸命練習することも、しっかり時間をかけて練習することも大切です。中身のある練習をすること。ここで実践できて初めて「練習はウソをつかない」という言葉が生きてくるのです。
今回のピアノジョイントコンサートは、素晴らしいピアニスト、奈良 康佑さんと一緒にできて嬉しいです。奈良さんと初めての共演からもう10年ぐらい立っても、毎回は本当に楽しいです。そして、毎回は私にとても大事な音楽的な経験になります。
そして、聴きにきてくださったお客様もとても暖かくて素敵でした。演奏会が終わった後はいつも沢山のコメントが来ていますが、今回はコメントが特に多かったです。その中からいくつかをお伝えしたいと思います。
●『演奏会では奈良先生との連弾も、自分の人生の中で、あと何回聞けるのだろうと思ってしまいます。いつも楽しそうなお二人の姿が印象的で、連弾や二台ピアノの演奏をとても楽しみにしています。また機会がありましたら、是非演奏会を開いてください!ラフマニノフの小曲集について、サファロバ先生だったらどう弾くのだろう?と以前から思っていたので、今回聞くことが出来てとても嬉しかったです』●『最後の奈良康佑さんとの連弾は圧巻でした。曲自体が若く、生き生きとし、エネルギーに満ちており、しかも演奏者に極めて高いテクニックを要求するもの。演奏者にとってはきっと難曲の一つでしょうね。ヨーロッパの絵画学校で、生徒たちが最初に指導者から告げられるのは、「絵は見るものではなく、読むもの」、ということを聞いたことがあります。演奏会を聴いていて、ふと、「音楽も聴くものではなく、読むものなのかも」、との思いが頭に浮かびました。つまり、作曲者が自分自身を、演奏者が自分自身を、そして聴衆が自分自身を理解するための営みの一つなのかもしれませんね』●『素晴らしいコンサートでした。バッハのシャコンヌを聞いた時、昔のことを思い出しました。12年前、私の父が亡くなった時、~今こそ音楽を続けなさい ピアノを弾きなさい~とサファロバ先生から言われました。ありがとうございました。荘厳で壮大な宇宙の音楽を身体じゅうで感じました』。
